イラストレーターと聞いて最初に思い浮かぶのが、「フリーランス」ではないでしょうか。
しかし、フリーランスは個人で税金や年金、社会保険料を支払わなければならず、人脈のない学生から社会人になっていきなりイラストだけで稼ぐにはハードルが高すぎます。
そこでこの記事では、イラストレーターとして会社員になる方法についてご紹介していきたいと思います。
イラストを描く仕事求人について
イラストを描く仕事の求人は、「グラフィックデザイナー」「イラストレーター」「CGデザイナー」「アニメーター」などと記載されているものになります。
プログラマーにみられる「未経験歓迎」のような、絵を描いたことがない人も対象になることは少なく、企業は即戦力を期待しています。
また、実務経験を必要とする場合も多く、他業種と比較するとややハードルが高い職種になります。
入社に必要なスキル(技術)について
求人広告で対象となるスキルは下記のものが多いでしょう。
- Photoshop/Illustrator(実務を問う場合が多い)
- CLIP STUDIO PAINT/SAI
- InDesign
- レイアウトデザイン
- spineでアニメーション作成
- 3DCGデザイン
- アニメ塗り・ブラシ塗り・厚塗りなどの彩色経験(実務)
特に、注意しておきたいポイントは、「実務経験」を問われることが多いので、学生でもアルバイトやコミッションサイトなどで実務経験を積んでおく必要があります。
「初心者歓迎」と謳っている求人広告も頻繁に見かけますが、募集人数のノルマ達成に記載しているだけで、実際に採用される可能性は少ないでしょう。
また、イラストを描く仕事以外にも企画書作成や事務処理も行うことがある場合が多いので、Microsoft Office(Excel・Word・PowerPoint)の基本操作を理解しておくことも重要です。
イラストレーターやデザイナーを募集している会社は中・小規模の会社が多いことからも絵を描く以外の仕事も必然的に行うことになります。
イラストレーターのキャリア
会社員として働く場合は、まず入社後数週間~数か月程度の試用期間を経て正式に採用されます。
大手企業だと契約社員として入社後に正社員登用制度により正式に採用される方法もあるようですが、多くはプロジェクトが終了した際に契約解除になるようです。
その会社の昇給や昇格制度によりステップアップしていくことになりますが、日本の会社は営業や人事などの事務系社員が管理職になる傾向が強いため、イラストレーターは転職や独立をすることで年収を上げようとする人が多いようです。
ポートフォリオの作り方
入社試験は、「書類審査」「グループワーク」「面接」の3ステップ用意されていると考えて対策をすべきです。
特に、イラストレーターは「書類審査」でポートフォリオの提出が必須である場合が多く、最大のアピールポイントになるでしょう。
ポートフォリオには、志望する分野に沿った作品を掲載する必要があり、参考作品には使用したツール、制作時間、制作日時を記入します。
企業へのポートフォリオ公開は下記の方法があります。
- イラストを印刷して本やファイルを作成する
- ポートフォリオ用のホームページを作成する
- pixivなどのSNSをポートフォリオとして活用する
最も多いパターンは、ホームセンターなどで販売されているクリアファイルに印刷したイラストを追加していく方法で、自由度が高く見やすいレイアウトも審査対象になることがあります。
おすすめの求人情報サイト・転職エージェント
イラストレーターを募集している会社は、ハローワークよりも求人情報サイトや転職エージェントを通して探した方が圧倒的に効率がいいでしょう。
求人情報サイトは、自分で検索して応募したい企業をさがすだけですが、転職エージェントの場合は、人材紹介会社の担当社員が1名付き、面談や記入事項を参考にその人に合う求人を見つけてくれるサービスです。
転職エージェントしか見ることができない非公開求人もありますし、人材紹介会社はクライアントとなる企業との契約で、ある程度定着することを前提に報酬が支払われる仕組みのため、自分が紹介した人が早期離職してしまうと都合が悪いため、手厚いフォローを受けることができるのです。
ここでは、お勧めの転職サイトと転職エージェントを紹介していきたいと思います。
シリコンスタジオエージェント
シリコンスタジオエージェントは、ゲーム・映像業界のクリエイター・エンジニアに特化した人材派遣・紹介サービスです。
最短で、1日でお仕事の紹介が可能で、70%が非公開求人なので、ここでしか手に入らない情報がたくさんあります。
※シリコンスタジオエージェントは、実務経験者向けの中途採用求人をメインに扱っているため、未経験の方向けの求人は少ない印象です。
doda(デューダ)
dodaとは、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サイトで、掲載される求人情報数は国内最大級を誇ります。
専任のキャリアアドバイザーが企業とのマッチングをやってくれるdodaエージェントサービスがあり、年に数回行われるdoda転職フェアでは、直接人事担当者と話ができるため、採用に関わるリアルな声を聴く機会があります。
イラスト関連の求人だと、ゲーム開発やパチスロ機制作、印刷会社など幅広い求人が掲載されており、簡単にエージェントサービスに応募することができるので、安心です。
Find Job!
Find Job!は、IT・Web業界特化の求人サイトで、職種・勤務地・雇用形態・スキル・企業名など様々なキーワードで検索することができます。
「イラストレーター」でキーワード検索すると、中途募集で経験者優遇している企業が多い印象ですが、契約社員で募集しているところは初心者でも歓迎しているようです。
選考方法や必須スキル、福利厚生などたくさんある情報から選べるのも嬉しいポイントです。
Graphical Job(グラフィカルジョブ)
Graphical Jobとは、幅広いクリエイティブ求人が豊富な情報量で掲載される求人情報サイトで、全国各地の求人を見ることができます。
採用決定するとグラフィカルジョブからお祝い金数千円~数万円が贈呈されるため、交通費の足しにできたりと求職者にとってうれしい制度です。
求人広告ページの下には、「この求人の特徴に類似する求人」「この求人に募集した人はこんな求人にも応募しています」といった一覧が表示されるので、効率的に求めている会社を探すことができるでしょう。
正規雇用か非正規雇用か
イラストレーターなどの特別なスキルを求められる職業は、初めから正社員で募集しているところが少なく、アルバイトや非正規雇用で採用されてから正社員登用してもらう流れが一般的になっています。
もちろん、業務経験が豊富で実力がある方は、正社員で採用されることも多いと思いますが、実務経験〇年以上などややハードルが高い設定になっています。
未経験で他業種から転職を希望しているのであれば、まずは実務経験を得ることから始めてステップアップしていくことを考えましょう。
イラストレーターは完全に実力主義なので、見込みで採用されることは少なく、確実にできる人を採用するので、厳しい世界です。
学生のうちは、インターンシップやアルバイトをしてある程度業務経験を積んでおくと、コネができたり、アピールポイントが増えるのでおススメです!
社風や待遇などの詳細情報を調べる方法
インターネットが発達してなかった時代は、社風や待遇などの内部情報を事前に得ることは難しかったようですが、最近では、社員による企業の口コミを投稿するサイトができたりと、事前に調べることができるようになっています。
会社名で調べると検索上位に表示されると思いますが、主に「転職会議」「openwork」「みん就」などで調べると現場の空気感や風通しのよさなどがある程度掴めるでしょう。
ただ、注意したいのが、口コミを投稿する人はその企業に不満があって辞めた人が多く、どちらかというと批判的な意見が目立ちますので、それに惑わされないことも大切です。
まとめ
厳しい選考を通過して入社したものの、人間関係や社風と相性が合わずに離職してしまう人も多いので、できる限り多くの情報をインターネットや説明会を通じて集めておくことをお勧めします。
コメント