光とは?
色は、光によって表現されているといってもいいでしょう。
絵柄にも左右されますが、はっきり強調する場合も淡くなめらかな描写をする場合もあります。
ただ、光をより現実に近い形で表現できれば、どのようなイラストにおいても魅力度は、格段にアップします。
絵の光を表現するにあたって、PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなどの描画ソフトに用意されているエフェクトを匠に操ることは、画力を向上させる上で欠かせない要素です。
それでは、光における専門用語から色を塗る際に意識すべき要素を学びましょう!
キーライト
イラストにおいて主となる光源のことを「キーライト」といいます。
描き始める初期の段階で、キーライト(主光源)を決めておくことが、違和感のないイラストに仕上げる最も重要なポイントとなります。
絵の中の光を一貫させることで、統一性をもたらし、より現実感を閲覧者に与えることができます。
「主となる光源」と聞くと、日中の日差しの強いシーンや蛍光灯などで明るい室内をイメージすることが多いかも知れませんが、夜を照らす月明かりのような拡散的かつ淡いものも該当します。
キーライトは、最もイラストのメインとなる対象物に影響を与える重要な要素だと思ってください。
反射光
上記で、解説した「キーライト」が対象物の後ろにある物体に跳ね返ってできる間接的な光源のことを「反射光」といいます。
主に、影となる部分に影響する要素で、明度を上げることで表現します。
ただし、さりげなく反射光を入れないと、リアリティから遠ざかってしまい「素人感」が否めなくなってしまうことがあるので要注意です。

人物画の具体例として、人物の境界線を表現する線画に近い部分の影色に注目してください。
中心よりの影よりも明度が高くなっていることがわかります。
このように、全て塗り終えた後に、ひと手間加えるだけで、より立体感が増してリアリティ溢れるイラストへ近づけることができるのです。
ハイライト
対象物となるオブジェクトの中で、最も明るい光のことを「ハイライト」といいます。
鏡や窓のようなキーライトを単に反射させるオブジェクトの光もハイライトの仲間です。
キャラクターイラストを制作する過程で、瞳や装飾品、髪の毛などにハイライトを入れることがありますが、キーライトが当たるど真ん中をイメージして、その物体がどれくらい丸みを帯びているのか、反射はどのような具合なのかを意識しながらハイライトの位置を決定すると、立体感を与えるきっかけにもなります。
ハイライトは、その光の強さから非常に拡散性があり、様々なオブジェクトに影響を与えることも意識しておきましょう!
バックライト(リムライト)
対象物を後ろ側からハイライト的な役割で2次的な光源を「バックライト」または「リムライト」といいます。
バックライトが当たるオブジェクトの外縁には、光の輪郭が表現されます。
バックライトが当たるということは、対象物の基本的な明度が低い状態にあるということを忘れないでください。

例を挙げると、上図の赤丸の中に描かれている明るい部分が「バックライト」にあたります。
ただ、髪の毛の光の範囲が広い部分に関しては、「ハイライト」と表現することもあります。
影
光の影響を直接的には受けない範囲のことを「影」といいます。
この明暗は、すべて「キーライト」ないし「バックライト」よりも暗くなければいけません。
光と同じくらい「影」も描画技術によって立体感の有無が決まってくる重要なポイントで、例えば、人物の肌色に影を入れるだけで、瞬時に人物らしいイラストに変わるでしょう。
ものを表現する時に欠かせない上に、画面の大半を占める要素です。
キャスシャドー
光で照らされた対象物の「影」のことを「キャスシャドー」といいます。
キャスシャドーの形は、オブジェクトの形をベースに作成するので、描画ソフトを使用している場合は、オブジェクトのレイヤーをコピー・アンド・ペーストして、影の色に変更後、変形して作成するとリアリティがでてくる上に、時短ワザにもなります。
ただ、キャスシャドーは、投影される地面や壁の材質、デコボコ具合で形が変わってくるので、単純に見えて実は奥が深い要素です。

陰
陰影ということばは、光が当たらない暗い部分を指す言葉ですが、「陰」と「影」では、すこし意味が違ってくるようです。
まず「影」は、狭い範囲の光の当たらない領域を指す言葉であるのに対して、「陰」は広い領域の光の当たらない領域を指すようです。
例えば、人物に使う言葉は「影」、建築物が作り出すものに使う言葉は「陰」です。
ただ、言葉の意味だけなので、絵を描く上で意識することはありませんね(汗)
中間調(ハーフトーン)
最後に、中間調(ハーフトーン)について触れておきます。
中間調とは、光に照らされた対象物の暗い部分のことをいいます。
ハイライトと影の中間の部分を指すと考えていいと思います。
この中間調に、オブジェクトの固有色(その物体が持っている本来の色)が現れるようです。
まとめ
光と影をテーマに解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
色の世界は、単純に見えてこんなにも奥深いものです!
次回は、色について解説していきたいと思います♪
コメント