レイヤーとは?
描画ソフトにおける「レイヤー」は、セルアニメ制作に用いられる透明シートのように使うことができる機能で、「層」のことをいいます。
ラスターレイヤーとベクターレイヤーの違い
PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなどの描画ソフトには、「ラスターレイヤー」と「ベクターレイヤー」の2種類レイヤーが存在します。
ラスターレイヤー
一見、一本の線に見える画像でも細かな点の集まりで記録されているレイヤーを指します。
CLIP STUDIO PAINTでは、すべての描画ツールを使用することができるので、主に色塗りに使用されます。
筆圧や濃度、グラデーションなどの繊細な表現にも対応できるレイヤーなので、一枚絵をすべてラスターレイヤーで構成されることも多いようです。
ベクターレイヤー
各線をどのように描画しているのかを記録しているペンツールに特化したレイヤーです。
塗りつぶしなどの機能は、使用できませんが、描画した後に変形することができます。
都市など、構造物の線画などに使用することが多いのではないでしょうか。
※ラスターレイヤーのように濃淡を表現することができないレイヤーなので、色塗りには適しません。
機能
フォルダー
作成したレイヤーやすでに作成済みのフォルダーを一つにまとめることができる機能です。
一枚絵では、「下描きフォルダ」「ペン入れフォルダ」「色塗りフォルダ」「背景フォルダ」のように分けますが、決まりはないので各個人によって使い方は様々です。
マスク
レイヤーやフォルダーに適用して、「オン」状態のみ消しゴムツールで指定した箇所を透明にできる機能です。
元レイヤー情報をいじりたくないときに、消しゴムの代用として使用します。
マスクは、適用している箇所に描画しようとしても「オフ」にしないと表示されないので、注意してください。
クリッピング
描画されているレイヤーの上に作成したレイヤーへ適用する機能で、下のレイヤーで描画した範囲のみに描画範囲を限定できます。
例えば、下塗りした肌色に影を描きたい場合、そのまま描くとはみ出すこともありますが、クリッピングすれば、下塗りした範囲にのみ影が描画されるので、大胆に描画できます。
色塗りだけでなく、線画の色も後から変えるときに便利なので、ぜひマスターしておきたい機能ですね。
参照レイヤー
対象とするレイヤーを参照レイヤーに設定すると、編集するレイヤーを切り替えても参照レイヤーに設定したレイヤーを参照して描画できる機能です。
CLIP STUDIO PAINTで、参照レイヤーが使用できるツールは下記のとおりです。
- 等高線塗り
- 塗りつぶし
- 閉領域フィル
- エアブラシ
- 折れ線選択
- 投げなわ選択
- 短形選択
下描きレイヤーに設定
下描きレイヤーに設定しないと、ペン入れの際に下描きの線が反映されてしまう(塗りつぶしの時など)ため、フォルダにまとめて、フォルダごと下描きレイヤーに設定してしまうのがおすすめです!
下描きレイヤーに設定されると青いペンマークがレイヤーに表示されるようになります。
レイヤーをロック
「レイヤーをロック」ボタンを押すと、そのレイヤーはロックされ、一切編集できなくなります。
オブジェクト選択ツールなどで無意識のうちに編集されると困るレイヤーに設定しておくといいでしょう!
透明ピクセルをロック
これは、クリッピングに似た機能で、 レイヤーの描画されていない部分は、描画できないようにロックする機能です。
クリッピングは最低2つのレイヤーが必要ですが、こちらは一つのレイヤーで同じような機能を使うことができます。
下描き
下描きは、フォルダにまとめて「下描きレイヤーに設定」しておきましょう。
レイヤーカラーをフォルダごと変えて不透明度を下げてからペン入れをすると、非常にやりやすいのでおすすめです!
下描きレイヤーは、一枚の中で描いてしまう必要はなく、必要なだけレイヤーを新規作成して思い描くイラストを描き上げましょう!
ペン入れ
ペン入れも下描き同様にフォルダにすべてのレイヤーをまとめてしまいましょう!
下描きフォルダの上にペン入れフォルダを作成し、ペン入れを進めてください。
こちらも同様に、各部位ごとにレイヤーを変えながらペン入れをすると、ブラシ塗りなど線画の色を編集する必要がでてきたときに便利です。
線の色変更は、対象となる線画レイヤーの上に新規レイヤーを作成、そのレイヤーをクリッピングして任意の色を描いてください。
素体(肌)部分のペンの色は、ワインレッドを暗くした色を載せるとしっくり来ることが多い印象です!
色塗り
人物の色塗りフォルダには、数え切れないほどのレイヤー数になることは少なくありません。
あまり多すぎると確認しづらいので、「色塗り」フォルダを作成して、その中に「肌」「表情」「髪の毛」「衣装」「小物」のようにフォルダ分けすると、後ほど編集する必要がある場合や複数人で作業するときに見やすくて便利です!
背景
背景は、とにかく奥に位置するものから順番にレイヤーを重ねていきましょう。
厚塗りと呼ばれる塗り方では、レイヤー分けしないことも多いようですが、「空」や「山」などざっくりとレイヤー分けしたほうが作業がしやすいように思います。
背景を塗るときは、人物同様に「雲」は「空」の上に描かれるので、「空」レイヤーに新規レイヤーをクリッピングして「雲」を描きます。
まとめ
レイヤーの使い方は、塗り方や個人によって大きく異るものですが、複数人で作業するような環境であれば、他の人が見ても分かりやすいレイヤー構成を心がけてください!
今回は、以上となります。
ありがとうございました!
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