手のやさしい描き方
人体は複雑な構造をしており、骨の形や筋肉の付き方、脂肪の量などによって様々な姿を表しますが、基本的な構造はみんな同じなので、絵を描くために必要な関節さえ覚えてしまえば簡単にどのような手のひらでも描くことができます。
関節の位置と指の長さ

手を描くときに意識すべきポイントは、各指の関節の位置です。
それぞれの指の3つめの関節(手のひら側の関節・付け根)は上下左右にぐるりと動かすことができますが、1つめと2つめの関節は内側にしか動かすことができません。
手の甲側への可動域は人によって異なりますが、基本的には180度よりも外側に移動することはないので、注意しましょう。
アタリのとり方

手のひらは下記の手順でアタリを取っていくときれいに描くことができます。
- 指の付け根から手首までの四角い部分を描いて、それぞれの指の位置に印を付けてください。
- 指の位置に印を付けたら放射状に指の中心となる一本の線を引いてください。
- 各指の長さを比較しながら線の長さを調節します。
- 上記で描いたアタリを目印に指を肉付けして完成です。
手のひら側で例を示しましたが、手の甲を描くときも同じ手法を用いて描くことができるので、安心してください。
たくさん描いて覚えよう
上記で手を描く際に必要最低限の知識について取り上げましたが、やはり経験値が多いとそれだけ複雑な手の形を違和感なく描くことができるようになります。
「ine-of-action.com」という海外のサイトには、人物クロッキーの他にも手のひらだけの写真が次々に表示される機能などが備わっています。
まず、 Hands & Feet Drawing を選択して、表示したい項目を選択していきます。
そして表示されるインターバルの秒数または分数を選択して「Get Drawing!」を押せばクロッキーが開始されます。
3Dを使って手を描く方法
何も見ずに手が上手く描けないからといって、焦る必要はありません。
プロのイラストレーターや漫画家でさえ自分やアシスタントの手を写真を撮ったり鏡を見ながら描かないと違和感のない絵に仕上げることは難しいのです。
現在は、無料で3Dソフトが使えることもあり、CGをアタリに手を描く作家が増えてきました。
今回、操作方法を紹介する3Dソフトは「デザインドール」という無料から使えるソフトです。(公式HPはこちら)

まず、「モデル」の項目にある手のひらマークをクリックすると上図のような画面に切り替わります。
手のひらを操作するボタンは2種類あり、簡易モードと詳細モードに分けられます。
大まかに簡易モードで手のひらの形をつくってから、歯車マークをクリックして詳細モードに変更して、第1~3関節の曲がり具合を調節していきます。
また、詳細モードでは、指の間隔を任意に調節することができるので、各指の間隔を変更したい場合は詳細モードに移行しましょう。
操作した項目はリアルタイムで3D素体に反映されるので、右ドラッグをしてカメラアングルを変更しながら少しずつ思い通りの手のひらを作り上げていきまます。

手のひらマークで操作できる項目は、手首よりも手のひら側に位置する関節のみなので、手首の角度や方向を変更したい場合は、人形マークをクリックして変更してください。(詳細は下図を参照してください)
詳細モードでは、各関節にボタンがあるので、そこを左ドラッグしながら任意の角度に調節させます。

人形マークをクリックした後に、手のひらをクリックすると手首の関節を上下左右に変更するボタンが表示されるので、動かしたい方向に位置するボタンを左ドラッグしながら調節してください。

手のひらを最初から作り上げるのが面倒な方は、プリセットを活用してイメージに近い手の形を選択してから微調整する方法もあります。
「ライブラリから読み込み」を押すと、デザインドールに収録されている手のひらのプリセットが表示されるので、任意の項目をクリックすると瞬時に3D素体に反映されます。
もし、プリセットを試してみて気に入らない場合は、元の画面に戻ってリセットボタンを押すとデフォルトの素体に戻すことが可能です。
まとめ
簡単な解剖学を頭に入れておけば、それを意識しながら練習できるので、より手のひらの構造を頭に叩き込むことができます。
何も知らない状態で手探りで描いてしまうと、ありえない方向に関節が曲がってしまったり、曲がるはずのない部分が曲がっていたりと違和感だらけになるので、まずは簡単にでも関節を覚えてしまいましょう!
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