デフォルメとは、一見、英語のように思えますが、フランス語で「誇張する」という意味です。
つまり、「デフォルメキャラ」や「デフォルメイラスト」は、そのキャラクターやイラストの特徴を誇張して表現されたイラストです。
特に、似顔絵は、デフォルメイラストの象徴的な存在です。
一方で、アニメや漫画キャラクターの「デフォルメイラスト」といえば、頭身が短くて可愛らしいどこか赤ちゃんのようなイラストのことを指します。
そこで今回は、アニメや漫画などで表現される「デフォルメイラスト」の描き方を解説していきたいと思います。
メイキング
アタリのとり方
まず、描き慣れていない人にとって、いきなりキャラクターを描き始めると完成後にデッサン崩れの原因になります。
そこで、アタリを描いてガイドのように使っていくのですが、フリーハンドで描くよりも図形ツールを使ってなるべく綺麗なアタリを描くようにすると、後々、キャラクターのバランスがとりやすくなりますし、時短にもなります。
下図では、僕のデフォルメキャラクターメイキングをざっくり掲載しましたが、1番のアタリでは、顔と胴体以外にも手足をペンツールを選択してShiftキーを押しながら直線になるように取っています。
CLIP STUDIO PAINTでは、ペンツールや鉛筆ツールを選択して、一点クリックした状態でShiftキーを押すともう一点まで直線を引くことができる便利機能があります。
周りを太くフチ取る際にも大活躍するので、マスターして損はありません!

ペン入れ
下描きを綺麗に描けた場合は、ペン入れの工程を飛ばしても問題ありませんし、周りを他の線よりも太めのペン先でフチ取れば、よりデフォルメ感を強調することができるので、おすすめです。
6~8頭身の通常イラストよりも線数が少ないので、ペン入れもそこまで苦ではないとおもいます。
ペン先は、通常イラストよりもやや太めに設定して描画したほうが、見やすくて丸っこく仕上がると思います。
色は、赤よりの黒でも映えますが、たくさんデフォルメイラストを見ていて、やはり黒色でペン入れをしている人が大半を占めている印象です。
色塗り
今回はアニメ塗りっぽく、ペンツールでガシガシと影を塗っていきました。
通常の頭身だと非常に時間のかかる工程ですが、デフォルメイラストだと塗る箇所が少ないので、今まで挑戦したことのない塗りに始めて挑むときにおすすめです。
線画がしっかりしていると、影を塗らなくても可愛らしいイラストに仕上がりますし、淡くて優しい印象を与えることができます。
頭身を決めよう
デフォルメイラストと呼ばれる頭身は1~4頭身の間だと思います。
最初に、どれくらいデフォルメしたいか検討して、頭の数を数えながら胴体のアタリを取ると、狙った頭身に仕上げることができるでしょう。

各パーツの大きさ
デフォルメイラストのポイントのひとつにパーツの大きさの配分にコツがあります。
まず、最も大きい部位は頭部です。
次に上半身、下半身、手足の順に小さくなっていきます。
絵柄にも左右されると思いますが、現在のトレンドをみると、上記のような配分が多い印象です。
手足に関しては、最も小さな部位にあたるので、指や靴まで描くかどうかは作家次第になるでしょう。
絶対に描かなければいけない要素は、表情パーツと胴体、手合、髪の毛、衣類です。
それ以外は、デフォルメなので、端折ってしまっても問題ありません。
動きをつける
重心がまっすぐでも安定感があっていいのですが、S字構図のようなくねらせたポーズのような動きのある構図にすると印象に残りやすいと思います。
ただ、バランスは大切で、テトリスをイメージして、そのキャラクターを落下させた時にすぐにコロリと転がってしまうような不安定なバランスになっていないか、下描きの段階で確認しましょう。

まとめ
デフォルメイラストは、通常の頭身よりも描きやすいので、初心者向けと言えますが、きっちりどの部位をどうデフォルメしているのか理解できていないと、オリジナルイラストを描くときに苦労するので、なるべく最初は、解剖学のようなリアリティのある頭身から始めることをオススメします。
それでは、最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!
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