美人とは?
まず、「美人」の定義について。
一般的に、顔のパーツが左右対称で血色の良い状態を「美人」と言うのではないでしょうか?
血色については、チークや暖色系のアイシャドウを加えることで表現するわけですが、問題はそれぞれのパーツを左右対称に配置することにあると思います。
作画するときのコツ
正面を向いている場合は、自身が得意とする左右一方の目を作成した後、コピーアンドペーストして左右反転すれば必然的に左右対称な目になります。
しかし、少し横を向いていたり、特殊なアングルではその方法は使えません。
そこで、重要になってくるのが、人体のパース。
「パース」とは、本来遠近法のことを指す言葉で、背景を作画する際に意識される技法のことです。
デジタル作画の場合だとグリッドを用いたり、ある程度のアタリをヒントに定規を使って違和感のない背景を作成していくことが多いでしょう。
それは、人体においても同じで、しっかりとパースを意識しながら作成していきます。
と言っても、絵を描き始めたばかりの頃は「なんのこっちゃ」状態でした……。
僕は、この人体パースに対する課題へのアプローチに「デザインドール」という3Dソフトを用いました。
このソフトは、フリー版と有料版がありますが、正直フリー版で十分だと思います。
しっかりと、解剖学から人体の仕組みへアプローチしているプロフェッショナルの方にとっては、頭で骨格から筋肉についてなどを意識して違和感のないイラストを創り上げることが可能です。
しかし、解剖学を学んだこともなければ、美術学校でプロに教わったこともない私にとっては、「デッサン崩れ」のないイラストを制作することは、とてもハードルが高かったのです。
さてさて、個人的な話はここまでにして、本題に移りたいと思います。
「デザインドール」では、手足の指から体の肉付きまで自由自在に調整することができる優れたソフトです。
さらに、右クリックを行うと詳細に引かれたグリッドが表示されます。
このグリッドを目安に「目」「鼻」「口」「髪」「素体」を加えていくと、誰でも簡単に違和感のない人物画を作成することが可能となります。
「美人」なイラスト作成には、基本的にデッサン崩れを避けなければいけません。その上で、細かい部分を意識すれば必然的に画力が向上することでしょう!
下図は、近年「美人」とされている特徴を詰め込んだ私のイラストです。

1枚目では、上記で挙げたポイントの他に、若い女性に流行っている長めの横髪を意識して描くことでより小顔に見せることができます。
また、鼻を高くする整形や涙袋を作る整形が盛んになりつつありますが、イラストに関しては、ある程度デフォルメされているため、特に涙袋を作るとおかしなイラストになりがちです。
顎については、絵柄やデフォルメ具合にもよりますが、ある程度シャープに描くと大人っぽく、丸みを帯びてくるにつれて幼い印象を与えることができるでしょう。

次に、線画についてのお話です。
漫画絵では、特に線画は大切な工程で、手を抜いてしまうとチープな印象を与えてしまうため、最も気を使う工程とも言えるのではないでしょうか?
僕がいつも注意していることは、描いている線と後ろにあるモノとの距離です。基本的に肌や服など、描画している線のすぐ後ろに何かしらのモノがある場合は、線を細めにします。
逆に、フチとなる部分は、後ろに来るモノが遠いため太めに描画します。また、髪の毛の分け目や服の皺など影が極端に濃くなる部分は太めに描画します。
線画は、強弱をつけてメリハリをつけることが大切になりますが、適当に強弱をつけるのではなく、しっかりと「太いところななぜ太く描く必要があるのか」「細いところはなぜ細く描く必要があるのか」を考えながら作業すると、作業自体に意味も生じてきてより有意義なものとなるでしょう。

さてさて、3つ目は、人の印象を大きく左右されると言われる「髪の毛」についてのお話です。
髪の毛は、様々なアレンジがしやすく「ショート」「ロング」「ツインテール」「ポニーテール」など様々なヘアスタイルが存在し、そのキャラクターの印象形成にも影響してくる大切な要素です。
基本的に、どのヘアスタイルでも「前髪」「横髪」「後ろ髪」の3点に分けることができます。
初めは前髪と後ろ髪ばかりに気を取られて、横髪の構造がいまいち分からなくなってしまいます。私の場合は模写では、なかなか処理の仕方が理解できなかったので、LIVE2DのサンプルファイルをDLしてイメージを掴みました。
実際に、安価なウィッグを購入して前髪と横髪、横髪と後ろ髪の繋がりを確認すると、その処理方法が見えてくるかもしれません。

最後に、かわいいとされる目の形について。
よく、整形では「目尻・目頭切開」「埋没手術」などが行われています。
つまり、目尻・目頭は広い方がかわいいと感じる人が多く、二重のほうがより魅力的に感じる人が多いからこのような施術が存在するように考えます。
これは、イラストにも当てはまるものだと考えていて、目尻・目頭はある程度余裕をもたせて、二重ラインをはっきり描くことで魅力的な目に仕上げることができるのではないでしょうか?
二重幅には、明るめのアイシャドウを入れてあげると血色がよく見えて、健康的な女性という印象を与えることができます。
下図の瞳孔は閉じていますが、人は魅力的なものを見るときに瞳孔が開く性質があるそうなので、恋愛ものの漫画やイラストを描くときは瞳孔を大きく描くと良いでしょう♪

まとめ
以上が、私の「美人」を描くために注意すべきことですが、考え方は人それぞれですので、自分自身が魅力的に感じたイラストの特徴を分析して、ご自身のイラストに反映させてみるのがベストです!
最後まで、ご覧いただき誠にありがとうございました!
コメント
[描いている線と後ろにあるモノとの距離]なかなか難しい~何回も練習しましたが、失敗しました!(しょんぼり)頑張ります!(*゚▽゚*)
前後関係をはっきりさせる目的があるので、ギャルゲ塗りなどのような色で遠近感や立体感を表現させる場合は、線画の太さは関係ないので、そちらの塗りに挑戦してみてはいかがでしょうか!
シンプルな解説で専門用語あまり知らない僕みたいな初心者でもすぐにわかった。めっちゃありがたいです。