絵は抽象的なものとして捉えられることが多いようですが、理論に基づいて作成されています。
もちろん、IT業界や製造業界と同様にデザイン業界にも専門用語がたくさんあります。
そこでこの記事では、専門用語から色と光の世界について解説していきたいと思います。
色
人間が視認できる色は、数百万もの種類が存在しています。
全ての色に名前を付ける代わりに、3種類のカテゴリーで色の定義をされています。

色相
色の特性で、アースカラー・オレンジ・黄・緑・赤・青・バイオレット(紫)の合計7つのグループがあります。
数百種類ある色もこの7つのうち1つに分類することができます。
輝度(明度/トーン)
色の明るさや暗さを定義するカテゴリーです。
色相が同じ場合でも、輝度が異なると色相が暗くなったり淡くなったりと変化します。
彩度
色の強さを特徴づけるもので、いわゆる鮮やかさを定義するカテゴリーといえます。
この彩度と上記の輝度の変化で、影色やハイライトなどを表現することができる大切なカテゴリーの一つです。
カラーホイール(色相環)
色のスペクトル配列( 色の成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したもののこと )を視覚的に表示したものです。
補色といわれる対照的な色を見つけるのに便利なものなので、デジタルイラストでは、頻繁に使うので、ウインドウに表示しておくといいでしょう。
補色は、非常に強いコントラストを生み出し、お互いの色を引き立てる特性があります。
カラーホイールには、2種類存在しており、「赤・青・緑」で表現されるものと「黄・赤・青」で表現されるものです。前者はデジタルイラストなどに多用されており、後者はアナログイラストに多用されるカラーホイールで知られています。

固有色(ローカル色)
対象物のベースカラーで、見たときに思い浮かぶ色のことをいいます。
例えば、リンゴの固有色は赤色です。
ただし、固有色だけでは対象物をリアルに再現することはできませんので、注意が必要です。
カラーハーモニー(色彩調和)
画面内の対象物すべてに影響を与える色合いです。
統一感を与えるには、単一の支配的なカラーグループ(緑なら彩度や明度が異なる色のこと)を設定して描く必要があります。
このカラーハーモニーは、その絵の印象付けに大きな影響をあたえるため、色が彷彿とさせる感情や印象を効果的に閲覧者へ与えることができる要素のひとつとなるので、覚えておきましょう。

上図のカラーハーモニーは、寒色系の青のグループが支配しています。
一見緑色のようにも思えますが、空の色と空気の色は寒色系の色なので、相対的に青のグループの割合が多く占めていることがわかります。
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