人物の線画までは得意だけど、色塗りが苦手だな、不安だな、と感じたことはありませんか?
そこで「キャラクターの塗り方を徹底攻略!」シリーズで、塗りの段階で注意すべきポイントやテクニック、考え方などを徹底攻略していこうと思います!
色彩理論について
色選びやデザインは、そのデザイナーによって異なりますが、ある程度の法則などは存在しています。
デタラメに見えるデザインも、ちゃんとした根拠を持って作成されたものがほとんどでしょう。
色相環

まず、ペイントソフトを使用するときに必ず目にするこの円は「色相環」と呼ばれます。特に、この色相環の対面に位置する色を「補色」と呼び、アクセントに使用するようなお互いの色を強調し合う色になります。
例えば、キャラクターのテーマカラーを「黄色」とする場合は、瞳やリボンなどの領域の小さなパーツに青色を使用するといった具合です。
もちろん、ポップ感や明るい雰囲気を表現したい場合は、様々な色を使用することもありますが、最初は無難に「メイン色」と「アクセント」に注目して配色することをおすすめします!
カラースライダー

次に、「色相」「彩度」「明度」について。
「色相」とは、「色相環」のような色味を調節するスライダー
「彩度」とは、鮮やかさを決定するスライダー
「明度」とは、明るさを調節するスライダー
これらは、「色調補正」という機能を使って後から変更できる要素でもあります。
殆どの場合、「彩度」と「明度」の2つを駆使して影などを表現することが多い印象です。
簡単に言えば、「彩度」を鮮やかに、「明度」を暗くすると影色っぽくなるので、アニメ塗りなどを行う際はおすすめです。(厳密には、影になると寒色よりの色合いになります)
色がもたらす印象
色には、喚起されるイメージが存在します。
特に、色が持つ印象効果を「色彩感情」と呼び、その色が連想するものを「色彩象徴」といいます。
下記は、各色がもたらす印象一覧です。
赤色
情熱的や活発なイメージがある一方で、暴力や破壊などを象徴しています。
つまり、人間にとって活動的な印象をもたらします。
また、トイレの標識に象徴されるように「女性」を連想する色でもあります。
上記に示した通り、意欲的な色なので、神経興奮作用や暖かく感じる、時間の経過が早く感じるなどの効果が期待できます。
青色
冷静や清潔感を表現するのに適した色で、爽やかなイラストに仕上げることができます。
つまり、青色は鎮静作用があり、冷静な感情をもたらしてくれます。
こちらは、「男性」を連想させる色でもあります。
興奮を抑える色なので、寒さを表したり、商品のロゴや標識などに利用されることが多いでしょう。
黄色
好奇心や向上心を象徴する色で、集中力を高める効果があることで有名です。
また、カジュアルな印象も与えられるので、気分を明るくするなど、心理的にプラスへ作用する色でもあります。
注意喚起の色にも使われるので、イラストでは、「ここを見てほしい!」というポイントに入れると効果的ですね!
緑色
気持ちが落ち着く色で、平和や調和を表します。
自然の象徴でもあるので、のんびりとしたイラストに使うと効果的でしょう‼
青色同様に、興奮を抑える作用のほか、集中力を増す効果も期待できるので、穏やかな心理効果を狙って創作活動に取り入れてみてはいかがでしょうか?
レイヤー構成の方針
色を塗る際に、「影を描いていく」のか「光を描いていく」のかを決めなければいけません。
例えば、逆光のイラストだと人物の大半を影が占めるので、下塗りの色は影色になります。
一方で、人物の正面から光を当てるフロントライトのイラストだと、明るい色がベースとなります。
また、塗り方でも方針は異なるようです。
アニメ塗りの場合は、影を描いていくイメージですが、厚塗り(油彩)は光を描いていくイメージのようです。
これは、部屋の照明が明るい日本では、光をベースに物を捉えることから、アニメ塗りは、光をベースに塗られます。
反対に、欧米では、部屋の照明が暗くて、光がアクセントになることから、影色をベースに塗られるようになったそうです!
色を塗る際の注意点

まず、上図を御覧ください。
アクセサリーや衣類などを塗る時に注意すべき点は、各面すべて明度と彩度が異なる点です!
背景などを描く際もこのことを意識するだけで、かなり違和感の少ないイラストになると思います。

具体的な例として、上図を用意しました。
机や壁の色をスポイトで取ってもらうと、各面で「彩度」と「明度」が異なることがわかります。
もし同じ色の面を作ってしまうと、のっぺりとした印象を与えてしまうので注意が必要です。
サムネ映えを狙うなら、各面の明るさに大きな違いを入れるとバリッとした雰囲気に仕上がります。
まとめ
今回は、第一回目ということで、ざっくりとした「色彩理論」と「色がもたらす印象」、「注意点」について書きました。
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