キャラクターイラストを描き始めたばかりの頃は、プロの漫画家さんやイラストレーターさんの描いた絵の通りに模写していただけで、線の表す意味なんて考えもしませんでした。
とはいえ、オリジナルイラストやマンガを作成していると、線の強弱が表す意味や映える描き方が分かってきました!
そこで今回は、「綺麗なキャラクター線画の描き方」などを解説していこうと思います♪
ペンの種類と設定について
アナログでマンガを書く場合は、Gペンやカブラペンなど様々な特徴を持つペン先を駆使してペン入れを行います。
デジタルの場合もアナログ同様に様々なペンが用意されていますが、デフォルト設定以外にも各設定項目を調整することで思い通りの線画に仕上げることが可能です。
今回は、CLIP STUDIO PAINTにおけるペンの種類とオススメの設定について解説していきます。
ペンの種類
CLIP STUDIO PAINTには、主に下記のようなペンが用意されています。
各ペンは、投稿されている素材からダウンロードすることもできます。
オリジナルのペンツールを作りたいときや既存のペンツールを再設定したいときは、「サブツール詳細」から設定できます。
最初は、ベースにしたいツールをコピーして再設定すると思い描くツールに仕上げることができますが、「ブラシ形状」でプリセットを選んでから「ブラシ先端」で詳細に設定することで、自分の絵柄にマッチした世界に一つだけのブラシツールを創り上げることができます。

ペン
アナログでは、つけペンと呼ばれるマンガのペン入れなどに使われるツールです。
デフォルトのツールセットには、「カブラ」「G」「スクール」「マジック」「マーカーペン」「丸」「平たいペン」「ぶれないペン」「でこぼこペン」の9種類収録されています。
僕の場合は下図のように、独自で設定したペンや素材からダウンロードしたペンが登録されています。

主に、アンチエイリアスをオフにしたペンで色塗りに使います。
鉛筆
その名の通り、鉛筆のような柔らかなペン先のツールです。
主に、下描きで使用されますが、水彩画や柔らかいタッチのイラストでは、ペン入れツールとしても活躍します!
マーカー
マッキーペンのようなベタ塗りに向いたペンで、サインを描くときにも活躍します。
CLIP STUDIO PAINTでは、雲の形をした素材をダウンロードできるので、空を描くときに大活躍します!
墨
墨汁で描くような味のあるテイストになります。
力強い印象を与えるので、格闘シーンなどで利用すると効果バツグンです♪
油彩
油絵に使用する絵の具のような印象を与えます。
「厚塗り」と呼ばれるテイストのイラストは、このツールと鉛筆ツールの2つで作成されることが多いようです。
水彩
淡いテイストのイラストに仕上げることができます。
透明感があり、メリハリも付けることができるので、サムネイル映えする塗り方ができるでしょう。
設定次第で、テイストが大きく変化するのも面白い点ですね。
エアブラシ
「ブラシ塗り」や「ギャルゲ塗り」と呼ばれるアニメ塗りよりもやや高級な印象を与える塗り方に使用されます。
その他にも、グラデーションや反射光など色塗りの際に最も活躍するブラシの一つですが、線画段階で使用することは珍しいでしょう。
パステル
クレヨンやチョークのような独特なテイストに仕上げることができるペンです。
色塗りに使用されることが多いツールですが、線画に使うと独特な絵柄に仕上がるので、個性を作りたいときに試してみてはいかがでしょうか。
デコレーション
ドラッグするだけで、フリルやレースが描けたり、桜吹雪を一瞬で描ける魔法のペンツールです!
CLIP STUDIO PAINTの素材検索には、クリエイターたちが作成した独特なデコレーションがダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください‼
図形
定規を使わずに、綺麗な円形や四角形、曲線などを描くことができます。
人物イラストでは、髪飾りなどによく使いますが、ほとんど背景を作成する際に活躍しています。
ホームページなどのロゴ作成にも役立つ便利ツールです。
おすすめの設定
ここでは、僕がいつも使っている設定についてご紹介します!
カラーイラスト
まず、アンチエイリアスを設定します。
ピクセルのギザギザ(ジャギー)を目立たなくする処理で、なめらかな線画を描きたいときや解像度が低いときに強く設定すると、綺麗に仕上がります。
設定は、「サブツール詳細」の「アンチエイリアス」で任意に設定してください。
僕は、鉛筆ツールを使用して線画を作成しています。(設定は下図のとおりです)

「厚塗り鉛筆」という素材をDLして若干設定をいじりました。
モノクロイラスト
カラーイラストとは異なり、モノクロイラストではアンチエイリアスをオフに設定します。
CLIP STUDIO PAINTでは、基本表現色をモノクロにすると自動でアンチエイリアスがオフになります。

モノクロ印刷すると、アンチエイリアスで描画した部分が滲んだように表示されて綺麗に印刷されないので、漫画雑誌の漫画賞などに投稿する場合は、必ずオフにしましょう。
モノクロイラストは、線の強弱を全面に押し出してメリハリをつけたいので、Gペンを使用しています。(設定は下図のとおりです)

よりアナログチックに仕上げるには補正をオフにするといいかもしれません。
線画を上手く見せるコツ
僕なりに線画を上手く見せるコツのようなものが分かってきたので、共有したいと思います‼
キャラクターイラストの線画
顔パーツ
アニメイラストの大きな特徴は、大きな目と低い鼻でしょう。
色の塗り方にもよりますが、僕の場合は瞳の輪郭をやや太めに強調するように描いています。
ハイライトは、メリハリを付けるために予め線画で縁取っておくようにしました。
髪の毛
髪の毛は、他の部位よりも細めのペン先で描いてください。
柔らかくふんわりとした印象を与えたいので、特にフチ以外を細く描くように注意しています。
太く描きすぎるとベッタリと硬い印象となるため、「髪の毛は細く!」と自分だけの標語を作っています(笑)
衣類
パリッとしたワイシャツなどは強弱を強めに描くとそれっぽくなります。
一方で、ニットなどのような柔らかい材質の衣装は、全体的に細めに描くことをオススメします。
素体
肌の部分を「素体」と呼ぶことがあります。
男性は、角張った印象なので太めに強弱をつけて描いています。
反対に、女性は、丸く柔らかな印象なので細くなめらかに描くようにしています。
強弱の考え方

漫画絵では、特に線画は大切な工程で、手を抜いてしまうとチープな印象を与えてしまうため、最も気を使う工程とも言えるでしょう!
僕がいつも注意していることは、描いている線と後ろにあるモノとの距離です。
基本的に肌や服など、描画している線のすぐ後ろに何かしらのモノがある場合は、線を細めにします。
逆に、フチとなる部分は、後ろに来るモノが遠いため太めに描画します。
また、髪の毛の分け目や服の皺など影が極端に濃くなる部分は太めに描画します。
線画は、強弱をつけてメリハリをつけることが大切になりますが、適当に強弱をつけるのではなく、しっかりと「太いところななぜ太く描く必要があるのか」「細いところはなぜ細く描く必要があるのか」を考えながら作業すると、作業自体に意味も生じてきてより有意義なものとなるのでおすすめです♪
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